初冬のパリは風が冷たいですが、夜になると観光客もほとんどいないので快適な散歩を楽しめます。 このところパリ市内での日本人シェフの活躍は目覚ましく星付きのレストランも増えましが、今回はその中でも新進気鋭と言われる本城シェフの「ES」にお邪魔してきました。 とても繊細で美味しいお料理をいただいてきましが、帰りは深夜となり皆で歩いてホテルまで戻りました。 セーヌ河畔も昼間の喧騒が嘘のように森閑としていてガラスのピラミッドも闇夜に煌々と輝いていました。 今回は帰りの機内であの「君の名は」を見ることができました。 深いメッセージ性を持ちながら物語としても楽しめる素晴らしいものでした。 私たちはいつも自分の中の奥深くに刻まれた記憶を辿りながら生きています。 それは青春時代だけではなく、30代になっても40代になっても、幾つになっても変わりません。 「人は見るものに近ずく」と言われますが、本当は心の中にある記憶をたどっているのでは・・・。 私達は何度もこの世に生まれてきています。そして色々な人生を生き様々な経験を積み、出会いと別れを体験しています。 とても懐かしい感じがしたり、理由もなく心が魅かれるのは、時間を超えた深い記憶が原因かもしれません。 自分の心の声を大事にすることが、真に自分の人生の意味を見つける最初の一歩です。
今年も残りあと2か月となりました。 本当に時間の経つのが早く感じるようになってきました。 先月はロンドンでも老舗ホテルと言われる The SAVOY にいってきました。 1889年創業の格式ある名門ホテルですが、近年経営状況が悪化し、アメリカのファンドに買収されたりと低迷しておりました。2010年にカナダのフェアモントグループの一員となって再生され、往年の姿が再び戻って来たということで、訪ねてみました。 サーヴィスも行き届き、昔ながらのテムズ河沿いの散策路も整備され、お部屋に運ばれるアフタヌーンティーもさり気ない心遣いが感じられてなかなか快適な滞在となりました。 今、世の中には暴力が溢れている様に見えます。TVや様々な報道には戦争、テロ、その他の暴力が毎日のように繰り返されています。人間というのはもともと暴力的な種なのでしょうか? 人間には暴力は付き物で人間の本質の一部なのでしょうか? しかし、本当は誤った選択の結果であり、暴力が人間の心や体に与える影響を認めようとせず、自分たちの心の歪みにきずいていないだけでは・・・? この永遠に繰り返されるように見える連鎖を変えるにはどのような方法があるのでしょうか? 自分に何か出来ることがあるのでしょうか? ある聖職者の方が話しておりました。 「私たちは自分のために祈ることの出来ない人や祈らないひとのために祈ります。」 最後にこの言葉を贈ります。 「人に尽くす行為とは、祈りがひっそりと目立たない形で現れること」
フランスのホテルはどんどん進化しているように感じます。五つ星の上にさらにパラスというクラスが設けられてから一段と加速しているように思います。こちらのル・ブリストルもその一つですが、フランス大統領府エリーゼ宮のすぐ目の前なので、銃を持った警察官や装甲車がたくさん配置されタクシーは遠回りしながらようやくたどり着きました。 でも、中に一歩入るとスタッフの対応も良く落ち着いた雰囲気を保っていました。 今年は悲しい別れで始まりました。 お正月明けに介護を続けていた義理の父が亡くなりました。 5年程前に脳梗塞を患い認知症も少しずつ進んでいましたが、本人の希望もありリュウマチの持病を持つ母とともに自宅で介護を続けておりました。半年くらい前から食が細りベッドから起きられなくなってきて、最後は水も受け付けなくなり、本当に眠るように亡くなりました。 いつも来ていただいていた訪問ドクターさんも見事な最期ですと話しておりました。 認知症の母がひとり残されましたが、これからも何とか支えていこうと二人で話しております。 自分の人生は自分一人で生きているつもりでも、実際は沢山の人に助けられ、身近な人に支えられて生きていることを実感します。 自分が死ぬときに「お世話になります」と言える人がすぐそばにいるだろうか・・・・? 本当にその人の生き様がそのままその人の死に様になるのだとあらためて感じさせられました。